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<2009年4月15日>
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平成17年度マンション管理士試験 問3
不動産業者が建設し、分譲したマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号イのマンションをいう。以下同じ。)の共用部分及び専有部分に、施工時の瑕疵による損害が発生した。この場合において、当該マンションの管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)の管理者等が行う不動産業者に対する損害賠償の請求に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.管理者は、共用部分に発生した損害について、区分所有者を代理して、損害賠償を請求することができる。
2.管理者は、専有部分に発生した損害について、区分所有者を代理して、損害賠償を請求することは、当然にはできない。
3.管理組合は、共用部分に発生した損害について、当然にその名において損害賠償を請求することができる。
4.集会において指定された区分所有者は、共用部分に発生した損害について、区分所有者全員を代理して、損害賠償を請求することができない。
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さて、肢1、肢2では、とりあえず、区分所有法26条2項が問題となります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・区分所有法26条2項
2 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第18条第4項(第21条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。
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条文に「共用部分」は出てきますが、「専有部分」は出てこないので、
共用部分⇒○ 専有部分⇒×
とするのは、さすがに安易です。しっかり検討しましょう。
この条文では、共用部分「等」とありますので、共用部分以外のどの部分が「等」にあたるのかを検討しなければなりません。
もしかしたら「等」の中に専有部分が含まれるかも知れませんから。
しかし、実は、検討するまでもなく「等」の意味は、ひとつ前の条文である26条1項に書かれております。
・・・・・・・・・・・・・・・区分所有法26条1項
管理者は、共用部分並びに第21条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第47条第6項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
・・・・・・・・・・・・・・・ということで、この「共用部分等」の「等」は、当該建物の敷地及び附属施設のことであることが明らかにされております。
(ただし、正確に理解するためには条文でいう「第21条に規定する場合」という場合がどういう場合かを理解しなければなりません。)
よって、クイズの解答という意味では、26条1項&26条2項により専有部分は含まないということでよいこととなります。
しかし、例によって理由を考えてゆきます。
じゃあ、なぜ専有部分は含まないのか?ということですが
簡単にまとめますと
専有部分は、専有部分の所有者が管理等するのであって、管理組合は原則としてノータッチである。というような説明になるでしょうか。
これにつきましては、受験本は当然として、専門書でもたぶん解説はないと思います。
なぜなら、ある意味「当然」とか「常識」のように考えられていて、解説するまでもないということなのだと思われます。
しかし、「当然」とか「常識」のように考えられていることをきちんと説明することを基礎ができていると呼ぶのです。
当たり前のことをキチンと説明できることは、とても価値の高いことですので、あえてこの論点を丁寧にやることとします。
前回お話しました管理者の共用部分等への代理権は、なぜ与えられたのか?
いうなれば、バラバラ請求⇒修繕⇒バラバラ徴収って、「面倒くさい」ってことですよね。
どうせ修繕するのなら、管理者が請求⇒修繕、のほうが面倒がなくていい。
ところが専有部分の場合、
そもそも専有部分の修繕はその部屋の所有者がするのであって、管理組合はしないというのが原則です。(標準管理規約との兼ね合いは、もちろんありますが、原則に変わりはありません)
理由は簡単。自分の所有物だから、自分でお金を払って修繕するしかないからです。
そうすると、
<所有者がそれぞれ請求>⇒<所有者がそれぞれ修繕>
ということで面倒もなにもないわけですよ、実にシンプルです。
管理者へ代理権を与える必要がないどころか、もし、管理者が専有部分の損害賠償金の請求・受領を代理したとしたら、受け取ったお金をどうするのでしょう?
管理者に専有部分の修繕権限はないですから、修繕できません。横領でもするしかないですかね(笑)
管理者に専有部分の損害賠償金の受領権限を与えるって無意味というか有害かもしれないってこと、ご理解いただけましたでしょうか。
と、いうことで、わざと、いろいろ大げさにお話しましたが、
大切なのは
「疑問を持ち」⇒「自分の頭で考えて、状況を想像し」⇒「一定の結論を導くこと」
です。
もちろん、自分なりの結論でOKです。
上記は、私が適当に考えて適当にお話しているわけですが、皆様は皆様なりに理由づけができればよいのです。
その考えを重ねることが皆様を真の実力者へと導くのです。
今回はひとつのサンプルとして、いろいろお話をしてみました。
ううむ、そうですね。。。。。。。。
これは、結構、根深い話がありますので、そのあたりの話は別の機会に詳しくやることとしましょう。
今日のところは、「いろいろ考えるのが大切なんだな」ということにしておいてくださいませ。
次に肢3ですが
26条2項には「管理者」と書いてあって「管理組合」と書いてないので
管理者⇒○ 管理組合⇒×
とするのは、かなり安易ですね。そもそも肢1、2と肢3では、問われていることが違います。
肢1、2は、管理者が、「代理して」請求できるかどうかの問題です。
肢3は、管理組合が、「当然にその名において損害賠償を請求」できるかどうかの問題です。
つまり
肢1、2 ⇒ 代理人になれるかどうかの問題
肢3 ⇒ 当事者になれるかどうかの問題
と根本的に違うわけです。
よって、26条2項は、そもそも無関係ということになります。
では、どう考えればよいのでしょうか?
これも前回の解説が参考になります。
つまり、共用部分に瑕疵があった場合、共用部分の所有者は区分所有者全員ですから、区分所有者全員が被害者となります。
管理組合というのは、あくまで建物を管理するための団体であって、建物の所有者ではありません。管理組合の構成員は区分所有者全員ですが、「区分所有者全員」=「管理組合」ではないのです。
そして、本件の被害者は「区分所有者全員」であって「管理組合」じゃないということなのです。
そうすると、請求権限は被害者である「区分所有者全員」にあって、「管理組合」という団体にはないということは、ご理解いただけましたでしょうか。
さて、肢4ですが
ちょっと、今日は時間がなくなってきましたので、明日以降追記させていただきます。
考えるべきことは、
どうして指定区分所有者という制度が共同の利益に反する行為への措置(57条ー60条)にはあって、本問のような状況にはないのかということです。
(以下、解説(2)へ続く)